ベテランの風格・夏八木勲

俳優である夏八木 勲が、まだ公開されていない
映画五本を残してこの世を去ったのは、5月1日のことです。

73歳でした。

2013年公開の「永遠の0 」や「そして父になる 」、「終戦のエンペラー」は、往年のファンだけでなく、多くの若い人も目にした作品として有名ですね。

夏八木 勲は、これ等の映画の中でもベテランらしい際立つ演技を見せ、存在感を示しました。

夏八木 勲は慶応大学を中退、
更に文学座付属演劇研究所も中退した後、63年に俳優座養成所に入所しました。

夏八木は15期生。

この15期には、他に地井武男や原田芳雄、栗原小巻、三田和代など、有名な俳優達を多く輩出したことから「花の15期生」と呼ばれています。

ワイルドな見た目と、それに見合ったアクションを持ち味にした夏八木は、
東映京都・加藤泰監督の「骨までしゃぶる」で映画界デビュー。

若い大工が娼婦である桜町弘子を遊郭から止めさせると言う役を演じ、人気を高めました。

更にその後は「牙狼之介シリーズ」や「あゝ同期の桜 」、「十一人の侍 」などに出演し、
注目を集めていきます。

夏八木はさらなる飛躍のため、
68年に東映を抜けることとなりますが、その後も多くの映画に出演しました。

五社英雄の「御用金」、中村登の「わが闘争」、深作欣二の「軍旗はためく下に」、
伊藤俊也の「女囚701号さそり」など、様々な名作に出演。

着々と経験を重ねる夏八木 勲の人気が特に高まったのは、74年のこと。
この年のNHK朝の連ドラ「NHK朝の連ドラ」で脱走兵の役を演じてから。

その人気の中で、夏八木は新たなスタートを切りました。

79年の「白昼の死角 」では主役を演じ、
野性の証明」「戦国自衛隊」「天と地と」「復活の日」と、様々な超大作に出演。

若い頃とはまた違う、円熟した演技とベテランらしい重厚な風格。

若いうちに終わってしまう俳優が多い中で、
夏八木 勲は年を重ねたからこそ出来る演技を見せてくれました。

ご冥福をお祈りします。