実力派名脇役・千石規子

sengokunoriko
日本映画界は、幾度も苦境に立たされましたが、
中でも戦前は検閲が厳しく多くの規制がありました。

しかし戦争が終わり、厳しかった検閲が廃止されると、
日本映画界は再び盛り上がりを見せます。

巨匠だけでなく新鋭の監督達がそれぞれ新しい映画制作に意欲を
高め、日本映画の黄金期がやってきました。

この時期には多くの新人女優が生まれましたが、千石 規子(せんごくのりこ)はその中の一人。

千石規子の芸能活動は、レビューガールからスタートしました。

その後本格的に女優を目指すために新協劇団に入団。
そこでは「人形の家」や「どん底」に出演しました。

彼女が映画女優として活躍を始めたのは、戦後になってから。
当時の巨匠の一人である衣笠貞之助監督の「女優」に、島村抱月の娘役として出演しました。

しかし千石規子をより有名にしたのは、黒澤明監督の「酔いどれ天使」と「静かなる決闘 」でしょう。

日本映画界で登場人物の感情をここまで表現出来る女優は極めて少なく、
そして千石規子はその少ない女優の一人でした。

黒沢と千石のタッグはその後も続き、「野良犬」、「醜聞」、
白痴」、「七人の侍」と数々の名作を作り上げました。

中でも「生きものの記録」では、
女と言う生き物が持つ裏表を見事に演じ、最高の脇役女優として絶賛されたほどです。

もちろん、黒澤明作品以外にも多くの映画に出演しています。

例えば溝口健二監督の「武蔵野夫人」や「西鶴一代女」、
久松静児監督の「観察日記」、稲垣浩監督の「女体は哀しく」など。

中でも千石の存在が光るのは、登場人物が三人しか居ない異色の映画「盲獣」。
そこで千石は、息子へ偏執的な愛情を寄せる母を見事に演じ切り、鮮烈な印象を残しました。

こうして出演作を書き連ねていくと千石規子は
巨匠の映画にしか出ない印象があるかも知れませんが、そんなことはありません。

大衆向けの娯楽映画にも多々出演しています。
笛吹童子」や「三等重役」、「怪獣大戦争」などが有名ですね。

近年では「福耳」、「東京タワー」に出演しましたが、2012年12月27日にこの世を去りました。



トラックバックURL

http://xn--2nyv89c.biz/%e5%8d%83%e7%9f%b3%e8%a6%8f%e5%ad%90/trackback/

コメントを残す